ギロチン

F@CK ポストモダン

ビジネス書化した人文本を読んだところで、プチネトウヨになるだけじゃない?

きのう、本屋で落合陽一の日本再興戦略とか何とかという本をパラ読みしたんだけど、まあ酷い代物だった。


日本の身分制度とインドのカースト制度を比較して、日本はカースト制度が向いている、カーストは差別でなく分業制だとかアホなこと言ってたんだけど、士農工商・穢多非人を復活させたいと落合は言いたいのでしょうか?


あとソフトバンクが、ボストン・ダイナミックとかいう軍事向けの二足・四足型ロボットを開発しているベンチャーを買収したの正しい、なぜなら、これからはヒューマノイド型歩兵が日本の防衛を担うから、みたいなニュアンスのことを言っていて、思わず吹きそうになったんだけど。


それにインドを過剰に持ち上げて、中国は第三の天安門事件が起こる可能性があるとか言っているんだけど、そもそもインドが本気で中国に対抗する意思があるか怪しいし、だいたいからして、インドですらカーストだけでなく国内のムスリムや宗教マイノリティに対する差別や、集団レイプ事件が横行する近代途上の不安定な国だし、むしろ中国以上にリスクを抱えていそうな感じだけど、その辺を見抜けないのが、落合の底の浅さを露呈しちゃっているよなと。


まあだけど、落合陽一や、その友人の宇野常寛といった論客に見られる精神性は、戦中の近代の超克から一歩も成長していない、西欧的近代や個人を越える可能性としての日本という、日本のインテリスカム野郎の、肥大化した夜郎自大なナルシズムである。


しかしまあ、これだけ経済や文化がズタボロになっているのに、まだそんな幻想にすがっているんだから呆れたものである。いや、落合も宇野も所詮は、読者に耳障りの良い言葉を与える商売としてやっているんだろうから、本人も分かっていてやっているのかもしれないけど。出版不況によって人文系的な知も、まず読者の未来への不安を和らげるための、自己啓発的なビジネス書っぽいものが求められているってことななんだろうね。その感じは、自分達は知的マイノリティだっていう気分を叶えるサロンとしての、東浩紀のゲンロンも似たようなもんだろう。あの界隈に漂っている感じって、堅牢な人文知というよりも、安っぽいビジネスセミナーみたいな雰囲気だし。


まあ、日本でいくらデリダフーコードゥルーズやメイヤスーを勉強したところで、ネトウヨみたな文系ワナビーが量産されるだけなんだから、思想とかインテリ本を読んでも無駄なんだろう。所詮これらは、賢らぶりたい奴が自分の自意識とナルシズムを着飾るためのジャンクフードにしかならないと思うのである。それなら、ラノベダ・ヴィンチあたりで紹介されているような一般文芸やマンガを読み漁った方が、まともな教養が身につくんじゃないかって思うんだけどね。