素でボケられない松本人志のつまらなさ

松本人志が、件の自殺した農業アイドルに対して自殺した方も悪い的なことを言ったらしい。

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当該発言のクズさについては言うまでもないが、しかし、こういう半ばフォーマルな場における松本のスベリだおしのつまらなさは異常である。例えば、たけしだったら気まずい雰囲気を和ませようと、肩の力を抜いた発言を心がけるだろうし、爆笑大田は、多少強引にまとめようとはするものの、被害者に追い打ちをかけるような真似はしないはずだ。それから比べれたら、オピニオンリーダーとしての松本は、圧倒的にセンスが悪くてしかも寒いのである。とんねるずの石橋だって、もっと大人の対応をするだろう。


ある一定以上の世代は、ダウンタウン神話みたいなものが刷り込まれているので、こういう事故が起こっても、みんな沈黙するけど、でも近年の松本の圧倒的な寒さを勘定するなら、その笑いの本質にしろ、そろそろ化けの皮が剥がれつつあるんじゃないかね? 結局、松本の笑いとは、意味や文脈を欠いた、純粋な「笑い」の衝動を抽出するというナイーブなものであると思う。


ごっつええ感じにおける「トカゲのおっさん」や、ヤクルトを飲んだおじさんが「エゲツな~」を連発するコントにせよ、そこには出身地の貧しさや、差別の存在などが秘められているのかもしれないけど、でも松本が目指していたのは、徹底的に意味を脱構築した上で、そこからさらに遠心分離器にかける、ナンセンス的衝動としての笑いであったと思う。ごっつ終了後に放送された「一人ごっつ」とかは、まさにそうしたスノビズムとしての笑いが暴走したものであっただろう。


でも、ごっつ終了後の松本って、周囲が求める松本のブランドイメージを守り続けるのに必死だったように思う。しかし、吉本もテレビも、生ける伝説としての松本を演出することに、積極的だったわけである。ワイドナショーにしたって、わざわざ松本を中心に添えて、それっぽい体裁を整える必然性なんてないわけだし。誰も松本が本質を鋭く言い当てることを期待しているわけでもなく、そもそもダウンタウンの笑い自体、そういう本質から異次元へと飛ばしたところで成立していたものであったはずだからだ。けどそれも、表層的で底の浅いものでしかなかったことが、色々と露呈しちゃったんじゃないだろうかね。


まあ、流石に今回の発言を支持しているのは、5ch民やヤフコメ民みたいな、ネットの最底辺層しかいないようである。ダウンタウンを支持していたサブカルはとっくに消滅しているし、いまさら松本が何か言ったところで空気なだけでしかない。ただ、未だにこんな奴を祭り上げている、テレビの頭の悪さとジリ貧な感じが伝わってくるだけである。だけど、それもとっくに無効なのだ。何か上手く書けずにモヤモヤした感じで終わる。